1989.9月「ROCKIN'ON JAPAN」岡村靖幸20000字インタビュー 最終回 |
もしかして、今日で終わりじゃない!
岡村靖幸20000字インタビュー 「自分がアウトサイダーになるのが恐かった」
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◆そうやって書いた詞が、本当に他と全く違ってるって気付いた時には驚いたでしょ?
「驚いた。特に『DATE』とかの評判が異常だったからね。
子供たちに与えた影響とかも物凄かったしさ、あれはほんとに意外だった。
・・・・・・・・『DATE』はほんとに僕に自信をつけさせたよ」
◆『DATE』で初めて、自分のアーティストとしての才能を自覚したんだ?
「『イエロー』の頃はまあまあかなぁ、とか思ってたんだよね。『DATE』になったらね、天才だ!とかみんな言い出したからね、『オーケィ、そうかも知んない』とか思ってね(笑)」
◆岡村さんは普通だって言われるとうれしいですか。
「結構うれしいですね」
◆でも、普通ですねって言われてうれしがるアーティストってあんまりいないですよ。
「人間的に普通ですねって言われるとすごいうれしいよ。音楽が普通ですねって言われれば、そりゃ悲しいけど」
◆変わってますねぇって言われるとうれしくないんですか。
「全然うれしくない。うれしいて思う人の気が知れない、はっきり言って」
◆なるほど。自分で詞を書くようになってから、『俺はこんな詞を書きたかったのか。俺はこんな詞を生んでしまうのか』って感じで、自分の新たな一面に気が付きませんでした?
「それはあったんじゃないかなぁ。出来上がった後で結構そういうのあるんだよね。
今回のアルバムにも一杯あったけど、『あらぁ、こんなの作っちゃったぁ』みたいなね」
◆詞を書いたことによって初めて見えてきた自分、というのはないですか。「あ、俺はここに飢えてるんだ」とかさ、「俺はここを守ろうとしてるんだ」とかさ。
「・・・・・そうだなぇ、そういうのあるかも知んないねぇ」
◆とりたてて自覚はしなかった?
「とりあえずね、今回のアルバムは特にそうだけど、出来上がった後で聴いてみると『うわーっ!』て思うんだよね。ねるとん紅鯨団の告白タイムってあるじゃない。
『ナントカさん、今度僕と一緒に海に行きましょう』とか言ってると、『ちょっと待ったーっ!』とか言って、で、3人ぐらいの男の子が並んじゃって、さあ、どうするって瞬間があるじゃない。そん時に、『あぁっ、見てらんない。うわー!』って気持ちがあんのね。あれとおんなじ」
◆(笑)やっぱ、あの番組好きでしょ。ああいう風に3人並んで、そん中から女の子に選んでもらったらうれしいんでしょ?
「うん、そうだね」
◆やっぱりね。それが一番うれしいんだろうと思った(笑)。ところで、今後、岡村さんのね、恋愛の歌とか、女の子の見方とか、そういうものは変わると思いますか。
「最近ね、やっぱり少しずつ変わってるよ。外見だけで女の子を見なくなってるしね。性格が大事だなぁ、とかさ。で、自分の歌を聴いて、俺はやっぱり純粋なものを求めてるんだなぁってことを再確認できたりとかね」
◆じゃあ、自分から「好きだ」って言って、男の子らしく女の子にアプローチできるように変わることもあり得ますかね。
「変わりたい」
◆変わり、たい?それは永遠の”たい”でしょう?
「うーん、永遠とか言われると困るけど。もしかしたら、近々の”たい”かも知んないしね」
◆そぉ?そんなこたぁないでしょ(笑)。永遠の願望こそが岡村靖幸でしょ?
「またぁ、やめて欲しいな(笑)」
◆永遠の”たい”こそ、岡村靖幸のアーティストとしてのピュアネスでしょう。
「近々かも知んないよ、岡村靖幸、今年の年末結婚!?とかあるかも知んないよ」
◆いや、それは女の方から結婚して下さいって言われないとないよ、きっと。
「そうかなぁ」
◆だって『好きだ』って言うのより『結婚しよう』の方がずーっと究極でしょ。最も激しい意思表示ですよ。それは岡村さんの口からは一生出ないでしょう(笑)。
「そりゃひどい(笑)。俺はそうは思わないけどね」
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ねるとん紅鯨団・・・
懐かしいですねぇ! なんか結構、毎週見てたような気がします。
「お前達の気持ちはよーくわかった!(ヒューヒュー と野郎連)
お前たちを待ってるお嬢さん方はあそこにいる!!
だがしかーし、その前に 貴さーん、チェーック!!」(笑)
今年の年末結婚!?とかあるかもよ にあっさりと、ないよ とか言われちゃったり(笑)。
いかがでしたか、「自分がアウトサイダーになるのが恐かった」
ほんとに濃い内容で、楽しませてもらうと同時に、切なくもなりました。
改めて昔のアルバムを聴いた時、以前は感じなかったことなど、ほんとにたくさんあるんですが、別にアルバムは変わっていない。
自分が変わってるんですよね。
でも、変わらないこと― これからも私は、靖幸を永遠に応援していくことでしょう。
最後になりましたが、この記事を提供して頂いた○○○○さんに
改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。