月刊カドカワ 96.2月 「チャームポイントをつかまえて」 最終回 |
今回で、最後になります。
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今年でデビューして十年なんですね。
でも、この三年間、五年間ってのを考えたらデビューして十年って言ってもいいのかな・・・。 でも、この五年はレコーディングしてて休んでいたんじゃないからね。
音楽業界で四、五年アルバム出さないと活動休止だって思われるけど、本だったら四、五年はあたりまえらしいですね。新聞とかに出てる本の評論読むと目から鱗が落ちるよね。 音楽の世界ってそういうのないよね。それを望まないのかな。
いい本があるようにいい音楽っていっぱいあるんだけどね。それにCDの棚に評論本があっていいのに、そういう本自体が出ないって現実があるよね。それがわかりやすいかな。
僕はなになにミュージシャンの本というタレント本より、そういう本が読みたい。
映画だってそうで、小津安二郎だけでも評論された本が何冊もあるしね。それは彼のインタビューなんて一切載ってなくてさ。音楽業界と活字の関係がなぜそうなったのかの歴史も知らないけど、とりあえず店頭に行くと音楽のコーナーってタレント本しかないもんね。僕はライターや評論家がそのアーティストを好きっていうのを超えてどう評論を書くかめちゃくちゃ興味あるんだけどね。それにもの作ってる以上、どういうふうに感じてもらったのか、どう分析されるのかなってのはどのミュージシャンも楽しみにしてるしね。メディアに対してとか、ビジネスに対してって本はあるけど、いわゆる評論ってのは本当少ない。
ミュージシャンとライターってのは日本はそうじゃにのかもしれないけど、本当は密接につながってるものだから。評論でけなされると売れないとか、評論家がミュージシャンになったりとかね。ブルース・スプリングスティーンのプロデューサーとかもそうでしょ。もっとむちゃくちゃ密接だし、もっと一喜一憂するものだし。日本はそういうシステムじゃないですよね。めちゃめちゃけなされても売れてるものがあるし、めちゃめちゃ誉められても売れてないものもあるし。不思議なもんでね。
どうして不思議って思うのかは、映画観るときはみんな評論を読むでしょ、観に行く前に。
その評論がよければ観に行こうかって。もちろん誰が出てるから観に行こうってのもあるだろうけど、評論で決める部分が大きいと思うんだ。そういうのがエンターテイメントのなかで成り立ってないのが音楽で、不思議っちゃ不思議だよね。
本だってそうでしょ?評論でけなされてるのって絶対読もうと思わないもん。
でも、本ってプロモーションが音楽業界みたいに大きくない分、セールスをそういう評論に頼る部分が多いのかもね。ってことはそういうのをやってる人はめちゃくちゃプライドが高いだろうしね。それに音楽評論家がオールジャンル網羅してるのに対して、文芸評論家ってきっと専門ジャンルがあるんでしょうね。話が少しそれちゃったけども。
待っていてくれたファンには長いこと待たせてすみませんでしたってことと、今年からコンサートやりたいと思ってますのでって伝えたいですね。
三十歳になったからどうしようってのはないです。
ここから十年って考えたこともないし、近い将来を考えるときの将来って一日先のことくらいだからね。仮に今日がつらい日だったら、もう何も考えない。
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靖幸30歳。
今から、約10年前ですね。
ファンは待ちました。そして「禁じられた生きがい」が出ました。
その後は、みなさんもご存知の通りですよね。
でも、また待ちました。フレッシュボーイツアー、さらに「Me-imi」まで。
だって、あなたしかいないから。
この記事を提供して頂いた、ソレルさん本当にありがとうございました。
改めて、お礼申し上げます。
今年最後の、更新です。
みなさん、今年1年ではなく、約四ヶ月。
いろいろとお世話になりましてありがとうございました。
アルバムも出て、ライブにも行き、ベイベの皆様に親切にして頂き
本当に嬉しかった今年の私です。
それでは、よいお年を!
来年もよろしくお願い致します。
感謝を込めて gold-white(ドキン)